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iDeCoとはこれまでは年金といえば国民年金や厚生年金、および厚生年金基金などでした。しかし、少子高齢化が進む中で、将来に受け取れる年金額に不安を持つ人も多く、そういう背景で個人年金のニーズが近年増えてきました。個人型確定拠出年金であるiDeCoもそのひとつです。運用の掛金を積み立てのかたちで拠出し、加入者が自己責任で選んだ商品で運用を行い年金または一時金として60歳以降に受け取る仕組みがiDeCoです。掛金の額は、拠出限度額の範囲の中で月に5,000円以上かつ1,000円単位と決まっています。あくまで加入者自身が選んだ商品で運用し、その結果によって将来の年金の受取額が決まります。限度額は会社員なのか自営業なのか、公務員なのかで異なります。公的年金と併せて利用することで、将来の年金額をかさ上げすることができます。運用のやり方次第では、元本を大きく上回る額も期待はできます。もちろん、元本割れも起こりえることは否めません。加入者の条件は、元々は自営業者などに限られていました。しかし2017年からは会社員や主婦、公務員を含めて、多くの人が加入できるようになっています。

iDeCoの4つのメリット

運用益は非課税

運用中に積み重ねた利益には、税金がかかりません。投資信託などによって得た運用益や定期預金の利息には、本来ならば所得税と住民税がかかります。 しかし、iDeCoを通じて買った投資信託から生まれる売買益や、定期預金の利息などは非課税とされています。 課税のあるなしは長期ではかなり差が出てくるものです。非課税によって、よりいっそう効率的に老後資金を蓄えることができる可能性があります。

受け取るときに大きな控除枠が使える

積み立てて運用したお金を受け取るときには、大きな控除枠を使えます。お金を受け取るとき、一括で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。分割で受け取るのであれば「公的年金等控除」が適用されることになります。 退職所得控除は、まとまった金額を受け取った際に税負担が大きくなり過ぎないようにとの配慮から適用されるものです。公的年金等控除は、国からの老齢年金などを受け取る場合に適用されます。

積み立てている時期の課税が抑えられる

加入することの最大のメリットは、積み立てている間の税金が安く抑えられることです。払い込んだ月々の掛金は、そのすべてが所得控除の対象になります。 自分で確定申告を行うか、会社の年末調整において、所得税や住民税の課税対象となる所得から、1年分の掛金の総計を差し引くことにより、所得税や住民税の負担がその分減ることになるのです。

転職しても持ち運びが可能なので安心

たとえば会社勤めの人が結婚して専業主婦になったり、あるいは会社勤めの人が自営業として独立したりする場合でも、引き続き加入者としてそれまでと同じように掛金を拠出して、運用することができます。 ただし、転職した先の会社で新たに企業型確定拠出年金に加入するケースでは、その会社が企業型確定拠出年金規約でiDeCo加入を認めているかどうかを確認する必要があります。 また、転職した折にiDeCoで積み上げた年金資産を、他の年金制度に移行できるポータビリティがあります。

iDeCoの4つのデメリット

受け取る額が前もって確定しない

国民年金や厚生年金は、年金を現役世代が支払う保険料からまかなう方式です。よって、人口構成や国の財源で給付予定額が少しずつ変化しますが、おおよそは前もって計算されています。 一方、iDeCoでは、前もって受取額がいくらになるかを知ることはできません。加入者が決めた運用のやり方によって成果が決まり、年金額が変わるためです。

原則として60歳まで引き出せない

公的年金と同じように、基本的にはiDeCoで積み上げた資産は、加入者が60歳になるまでの間は手にすることができません。このルールは企業型の確定拠出年金でも同じです。 そもそもこの制度の始まりは、老後の資産形成に関して自助努力で年金の原資の不足を補完するために導入されました。よって、途中で現金化することはその目的から外れてしまいます。

自分で金融機関を選び手続きをしなければならない

企業型の場合は、自分は何もせずに会社が委託した金融機関で積み立てを行っていくので、おまかせとなります。 しかしiDeCoに加入するためには、自分で運用する機関を選び、商品の中から月々の掛金で購入していく商品を自分で決めなければなりません。苦手な人にとってはこれらの手続きを自分でやらなければならないのは苦痛でしょう。

運用リスクは加入者の自己責任

正確に言えば、運用そのものは専門家が行いますが、加入者は運用商品を自ら指定する必要があります。つまり、選択した責任はすべて加入者にあるのです。 投資信託で運用した場合、結果によっては資産を大きく膨らませる可能性があります。逆に、思うような運用ができなかった場合は元本割れすることがないとはいえません。よくも悪くも自己責任ベースの年金といえるでしょう。

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